現在、世界的にガソリンエンジン車から電気自動車(EV)へシフトしています。
イギリスやフランスは、2040年までに、ガソリン/ディーゼル車の販売を禁止にすると発表しました。
そのようななか、マサチューセッツ工科大学(MIT)は、「EVよりも三菱・ミラージュのほうがCO2(二酸化炭素)の排出量が少ない」と発表したんです。
EVは環境にやさしいといわれていますが、なぜ、普通のガソリン車のミラージュよりもCO2の排出量が多くなってしまうのでしょうか?
『ミラージュよりもEVのほうがCO2が多くなってしまう理由』についてお話ししますね。
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目次
EVがミラージュよりもCO2が多くなる理由、総排出量で考えた場合
マサチューセッツ工科大学が、CO2の排出量で使った車は、
- ミラージュ(ガソリン車): 1.2Lエンジン搭載
- テスラモデルS P100D(EV):0-100mで2.7秒、100kWバッテリー&2モーター搭載(611ps)のハイパフォーマンスカー
という、2車種です。
普通にはしっている段階では、もちろんEVのほうがCO2を出さないのです。
けれど、『走行時+生産から廃車にするときのCO2の合計』(ライフサイクル総排出量)で考えると、ミラージュよりもテスラモデルS P100DのほうがCO2をたくさん排出するんです。
ライフサイクルにおけるCO2排出量のシミュレーション | |||
テスラモデルS P100D | BMW750i xDrive | ミラージュ | |
生産時のCO2排出量 | 1万2204kg | 8190kg | 4752kg |
27万km走行時の CO2総排出量 | 4万8600kg | 9万5310kg | 4万6980kg |
廃車時のCO2排出量 | 311kg | 351kg | 159kg |
生産から27万km走って 廃車されるまでの CO2排出量 | 6万1115kg | 10万3851kg | 5万1899kg |
全ライフサイクルでの 総排出量を1kmあたりの CO2排出量に換算 | 226g/km | 385g/km | 192g/km |
MITトランシク・ラボの調査結果による
(引用元:ベストカー)
「テスラモデルSのほうがCO2をたくさん排出するとっていも、比較する車のスペックが違いすぎる」
という人もいるかもしれませんが、電気自動車(EV)なら何でも環境に優しいというわけではないんです。
環境を考えれば、大きなボディのEVに乗るよりも、ガソリンエンジンのコンパクトカーに乗ったほうが良いという可能性があるんです。
EVは走行するためには電気を必要としますが、この電気を火力発電で作るとなると、火力発電所からCO2が排出されるため、結局、CO2を発生していることと同じです。
日本で電気自動車といえば、リーフ(日産)が有名ですが、リーフクラスのEVでも
・石炭火力発電で139~175gのCO2を発生
・石油火力発電で114~143gのCO2を発生
すると試算されています。
電気を作る時に排出されるCO2は、原発発の依存率が高いフランスの場合は、発電時のCO2の発生量は少ないので、40g/kWhくらいです。
一方、石炭火力発電の依存率が高い国だと、650g/kWhとCO2の発生量は圧倒的に多くなってしまうんです。
日本やドイツは、原発依存率が低いので、400g/kWhと多いんです。
ただ、原発は、発電時にCO2を出さない代わりに、発電するたびに毒性が強い放射性廃棄物が出てきていまう問題があります。
※放射性廃棄物は、地中に埋めて何十年以上も監視しなくてはいけないが、埋める候補地すら決まっていません。そのため、まともに処理できず、どんどんたまっていっています。
このように、マサチューセッツ工科大学の調査によると、電気自動車(EV)だから環境にやさしいとは必ずしもいえないんです。
ドイツの自動車連盟も、EVは本当に環境に良いのか?という記事を発表
先ほど、マサチューセッツ工科大学の調査では、EV(テスラモデルS)よりもミラージュのほうがCO2の発生量がすくないと紹介しました。
実は、マサチューセッツ工科大学だけじゃなく、ドイツ自動車連盟(ADAC)も『EV=環境にやさしい』に疑問を投げかける調査結果を発表していたんです。
ドイツ自動車連盟も、CO2の車のライフサイクル総排出量を調査したところ、
- 大型車では、EVよりもディーゼル車のほうがCO2の排出量が少ない(15万km走行時)
- 小型車では、EVもディーゼル車もCO2の排出量は変わらない(15万km走行時)
- 5万km走行時の小型車だと、ガソリン車、ディーゼル車よりもEVのほうが排出量が多い
と発表したんです。
(詳しくは、こちらを参考にしてください。)
驚きの調査結果ですよね。
EVはCO2の排出量が少ないといわれていますが、車のサイズや走行距離によっては、CO2のライフサイクル総排出量は、どの車よりも多くなってしまうんです。
再生可能エネルギーを増やすことが、EVによるCO2削減のポイントに
「EVは、あまり環境にやさしくないのでは?」という調査結果を紹介してきました。
たしかに、カーライフ全体で見れば、EVもそれなりの量のCO2を出してしまいます。
けれど、再生可能エネルギーで発電された電力を使えば、CO2の排出量は減るので、ガソリン車やディーゼル車、HV(ハイブリッドカー)などと比べて、EVは圧倒的に環境にやさしい車になります。
再生可能エネルギーの発電量を増やすことが、環境に優しい車を作るポイントになんです。
■再生可能エネルギーの種類
・水力発電
・太陽光発電
・風力発電
・バイオマス
・水力発電
・地熱発電
・太陽熱利用
・雪氷熱利用
・温度差熱利用
・地中熱利用
日本は、まだまだ再生可能エネルギーの発電比率が少なく、全電力のうち、再生可能エネルギーの発電比率は15.3%しかありません。(2016年度)
ちなみに、海外は、
- フランス :16.3%
- イギリス :25.9%
- ドイツ :30.6%
- イタリア :39.8%
- アメリカ :13.6%
- カナダ :63.8%
となっています。
(全発電量のうちの再生可能エネルギー発電比率 2015年度)
今後、EV比率が高まって、本当に環境にやさしい車となるために、再生可能エネルギーでの発電量を増やしていってほしいですね。
EVとCO2の排出量に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
↓↓↓
まとめ
EVは、再生可能エネルギーで発電された電力で走れば、とても環境にやさしい車になります。
環境を守るために、EV比率を高めると同時に、再生可能エネルギー比率も高めていくことが大切ですね。
電力会社に任せるのではなく、ひとりひとりができることから始めていきましょうね。